退職には『自己都合退職』と『会社都合退職』のの2パターンあることをご存知でしょうか。この2つには、失業後にもらえる失業給付金の額や給付期間、退職金がもらえる際の支給額の差があります。本稿では自己都合退職と会社都合退職の違いについてご紹介していきます。
まず『自己都合退職』と『会社都合退職』の違いは退職の理由によります。
『自己都合退職』は、自身が希望して退職するケースで、一般的に多くの退職が自己都合退職に当てはまります。転居、結婚、介護、病気療養のための退職はもちろん、自分が望む仕事内容や待遇などを求めて転職する場合も、自己都合退職になります。
次に『会社都合退職』は退職を余儀なくされるケースで、経営破綻や業績悪化に伴う人員整理により、一方的に労働契約を解除される場合が一般的です。加えて、退職勧奨、希望退職に応じた場合や、勤務地移転に伴い通勤が困難になった場合、何らかのハラスメント被害を受けた場合など、自分の意志に反して退職を余儀なくされたケースも当てはまります。
続いて、『自己都合退職』と『会社都合退職』それぞれのメリット、デメリットを見ていきます。
『自己都合退職』のメリット、デメリット
自己都合退職のメリットは、履歴書の退職理由は『一身上の都合』として記載するだけで問題ありません。転職活動においては、転職回数が極端に多い、在職期間が極端に短いといったことがない限り、退職理由を深く追求されない点がメリットでしょう。
自己都合退職のデメリットは、失業給付金の支給を受けるまで、3ヶ月の給付制限があります。加えて、ハローワークへの申請を経て、最低でも待機期間として7日間は待つ必要があり、どんなに早くても3ヶ月と7日後からの支給となります。また、会社都合退職と比較すると額が少なく、給付期間も短くなります。
『会社都合退職』のメリット、デメリット
会社都合退職のメリットは失業給付金の支給を受けるまでが早いということでしょう。自己都合退職の場合は、失業給付金の支給まで3ヶ月の給付制限がありますが、会社都合退職では給付制限がありません。ハローワークへの申請を経て、最低7日間の待機期間のみで失業給付金を取得できます。
会社都合退職のデメリットは、転職活動において質問される事項が増える可能性があるという点でしょう。履歴書等で、『会社都合による退職』と記載があった場合、面接官の確認が増えることになります。特に理由が解雇の場合は、就業時に問題やトラブルを起こしていないか、業績はどうだったかなど、その理由を深く聞かれることが多いでしょう。
このように、転職活動を進める上で、自己都合退職と会社都合退職とでは大きな差があります。自身の退職理由によって慎重に書類作成や面接対策を練っておきましょう。